イスラエルの作家、エトガル・ケレットの絵本作品。
お父さんがサーカスに夢中になるあまり、団員になってサーカスと一緒に行ってしまうという、おかしな楽しいお話です。
サーカスが町にやってきて、お父さんは大はしゃぎ、息子と娘は仕方なく一緒に観に行きます。
お母さんのキャリアウーマンっぷりも素敵。
サーカスは観客もまばらでしたが、お父さんは魅了されてしまいます。
お母さんと口論の末、そのままサーカスについて行ってしまう事に…
お父さんは家族を忘れず、世界中から手紙や絵葉書を送ってくれました。
そして、ある日サーカスが町に戻ってきて…
エトガル・ケレットは、主に短編小説を執筆し、映像作家としても活躍しています。作風は軽快でユーモアに溢れています。
両親はホロコーストの体験者。義務兵役中に親友を自殺で亡くした事から小説を書き始めましたが、そんな背景を感じさせない語り口で、でも読み終わると何か考えさせられます。
『あの素晴らしき七年』を読んで、遠い存在だったイスラエル人を、少し身近に感じる事ができるようになりました。
映画では、イスラエルというと、『クロエの祈り』や『もう一人の息子』を思い浮かべます。どちらも感動した作品ですが、イスラエルは中東の深刻な問題を抱えた遠い国のイメージでした。
ケレットの作品で、戦闘状態にあっても、人々には普段の生活もあるし、感じ方や考え方も大きく異なるものではないのだと理解できたようにおもいます。
エトガル・ケレットと映画監督のシーラ・ゲフェン夫妻は来日中!
映画の上映や、いろいろなイベントが開催されています。私も19日の甲南大学のイベントに参加予定で、直接お話が聞けるのが楽しみです。
ゲストが西加奈子さん、というのも興味深いです!
詳細は、エトガル・ケレット&シーラ・ゲフェン 2019来日サイトをご覧ください。